中央郵便局はホーチミン市のなかでも最も人気がある観光地のひとつ。1886年から1891年にかけて建てられたフランスの有名建築家ギュスターヴ・エッフェル設計による建物は、アーチ状の内部天井や、窓のデザインが昔のヨーロッパの鉄道駅を彷彿させる。一番奥には故ホー・チ・ミン主席の大きな肖像画が飾られている。現役の郵便局のため、ポストカード、切手、お土産、本なども買うことができる。また、入り口を入って右側には1892年のサイゴンとその付近の地図、左側には1936年の南ベトナムとカンボジアの電信網が大きく描かれているので、そちらもチェックしてみよう。中央郵便局の正面はサイゴン大教会がある。
2010年10月に竣工した「ビテクスコ・フィナンシャルタワー/Bitexco Financial Tower」。262.5メートルとホーチミン市で一番高いビルで、デザインはベトナムを代表する花、蓮をイメージ。ホーチミン市のビジネスとエンターテイメントの中心地にあり、地上68階・地下3階建てのビルには50階部分にヘリポート、その下の49階にホーチミン市が見渡せるスカイデッキがある。スカイデッキの利用は有料で20万VNDかかるが、ホーチミン市を見下ろす、息を呑むようなパノラマはその価値あり。52階のラウンジで絶景を楽しみながら、1杯飲むのもおすすめ。そのほかタワー内にはレストランやブランドショップ、映画館なども入り、地元の若者たちでも賑わっている。
ホーチミン市からビエンホア(Bien Hoa)へ向かう途中、国道1号線の右手に見える戦没者墓地(Martyr’s Cemetery)。ベトナム戦争で犠牲になった人たちを弔う墓地だ。入り口には広い壁と像に迎えられて中に入ると、広大な墓地のなかには植え込みが点在し、強い日差しを遮っている。湖と橋もある。お香を焚いてろうそくを灯し、花を供えて、死者の冥福を祈る人々の姿がみられるだろう。
グエンフエ(Nguyen Hue)通りの突き当たりにあるホーチミン市人民委員会庁舎。1908年、フランス統治時代に建てられ、当時は市庁舎として使用されていた。パリの市役所の建築デザインをベースにデザインされている。最も素晴らしい植民地時代のモニュメントの一つで、夜はライトアップされ一層の美しさを増す。現在も政府が使用している建物のため、一般人が中に入ることは禁止されている。ただし、建物の外側で撮影をすることは可能。屋根には鐘楼をいただいている。ホーチミン市で最も有名なランドマークの前で、ぜひ記念撮影しよう。正面の公園内にあるホー・チ・ミン像もチェックを。
ホーチミン市のランドマークの一つである市民劇場。フランス植民地時代の1897年にフランス人建築家のユージーン・フェレ(Eugene Ferret)設計によって建てられたオペラハウスだ。フレンチコロニアル建築の典型で、写真撮影のベストスポット。目の前には並木の大通りが走っており、ホーチミン市が“東洋のパリ”と呼ばれる理由が分かるはずだ。ベトナム戦争中には南ベトナムの国会議事堂として使われた事もある。以来何度もリノベーションを重ねているが、当時の姿を忠実に再現している。一般の人が入れるのはイベント時のみ。バレエやオーケストラの公演が行われるときを狙って、ぜひ中も見学してみよう。
ベトナム南北統一の象徴、統一会堂はホーチミン市に来たら必ず訪れたい場所のひとつ。もともとは南ベトナム政権時代に、建築家ゴー・ベト・トゥー(Ngo Viet Thu)がデザインした大統領官邸で、サイゴンが陥落する前は「独立宮殿」と呼ばれていた。大統領官邸として使われていたきらびやかな部屋の数々も素晴らしいが、見所は地下に広がる、まるで戦争映画さながらの作戦司令室。狭いスペースに作られた無線室や、地図を張り巡らせた作戦会議室など、ベトナム戦争当時の様子を生々しく伝えている。1975年4月30日に北ベトナム軍の戦車がこの官邸のゲートを突破、無血入城を果たし、事実上ベトナム戦争は終結した。この建物は、その重大な日を象徴するモニュメントとして「統一会堂」と名づけられ今に至る。統一会堂の近くには4月30日公園もあるので、そちらも訪れて見よう。