ホーチミン市で、ベトナム土産を楽しむなら「ザ・ハウス・オブ・サイゴン」へ。職人たちの技術と天然素材、そしてモダンなデザインを融合させたオリジナル製品を多数取り扱い、どれも高品質でお洒落な製品ばかりだ。 ベンタイン市場すぐ隣の3階建ての店内では、お土産にも自分用にもぴったりのハンドメイドアクセサリーやバッグ、皮製品、手刺繍入りの洋服やアオザイなどが揃い、買い物はもちろん眺めているだけでも楽しめる。 また、ベトナムの有名な職人による刺繍アートクラスも無料で開催中だ。 2階には、コーヒーショップが併設しているので、買い物の合間には美味しいベトナムコーヒーやフルーツジュースでリラックスしよう。
「メコン・キルツ/Mekong Quilts」はハイクオリティな手刺しゅうのベッドカバーなどを扱う非営利組織として2001年に設立され、ベトナムやカンボジアの地方に住む女性たちの雇用や技術支援を目的としている。キルトのデザインは伝統的なものからコンテンポラリーなスタイルまでが揃い、パッチワークや刺し子、そのほかさまざまな刺しゅうテクニックが用いられている。お店に並ぶ商品は様々なサイズと色があり、手頃な値段でオーダーメイドもできる。利益はNGO団体「メコン・プラス/Mekong Plus」によってコミュニティに還元される。「メコン・キルツ」は「メコン・クリエーションズ/Mekong Creations」という店名でホーチミン市内にもう1店舗あり、ハノイにもショップがある。「メコン・キルツ」が支援するのは、ホーチミン市北部の郊外や、メコンデルタのロンミー(Long My)のコミュニティに属する女性たち、また、ベトナムとカンボジアの国境付近にあるカンボジアの村、ラムドゥール(Ramdoul)の女性たちだ。キルトの作業は少ない投資で始められるため、雇用を生む活動として最適なのだ。「メコン・キルツ」はホーチミン市を拠点にする歯科医、タン・トゥロン(Thanh Truong)氏が35人の女性とともに始めた。最初のキルトは友人たちが買っていったという。今日では7店舗を構え、340人の女性たちがフルタイムで勤務している。キルト職人となった女性たちは技術訓練を受けることができ、工賃が支払われ、そのほかの福利厚生も受けられる。そしてなによりも、安全で快適な環境で仕事をすることができる。
「メコン・クリエーションズ/Mekong Creations」はラグマットや張子細工、シルク、バンブー、ウォーター・ヒヤシンスなどを用いた家庭用品やギフトアイテムを制作・販売する非営利団体だ。シンプルなデザインで手仕事のぬくもりを感じさせるナチュラルな雑貨はセンスある土産としても喜ばれそう。「メコン・クリエーションズ」ではラグジュアリーなフレンチブランド「テール・ドック/Terre d’Oc」の製品も生産しており、そちらの商品もホーチミン市内で手に入れることができる。「メコン・クリエーションズ」はベトナムやカンボジアの離れた農村コミュニティの発展を支援するNGO団体「メコン・プラス/Mekong Plus」のプロジェクトで、農村に住む女性たちの雇用を生み出し、製品の販売によって得られた利益を女性たちの賃金や、コミュニティの開発プロジェクトの資金としてコミュニティに還元することが主な目的だ。近年ではバンコクやシンガポールで商品の展示会も行っている。ホーチミン市内に2店舗あり、ショップでは同系列「メコン・キルツ」のキルトアイテムも揃う。
船模型は造船と同じくらい歴史のある工芸で、水上運送の発達の歴史と関係している。ホーチミン市で購入できる船模型はホーチミン市の隣、ドンナイ(Dong Nai)省にある村で作られている。レプリカは小さなものから、複雑な構造で帆を張った精巧なモデルまである。ひとつの模型を作るのにかかる時間は5日から10日間だそう。「タイタニック号」や「ブリタニア号」、「コンスティテューション号」など歴史上有名な船や、ボートのレプリカや、ボトルシップも作っている。歴史的な大型船、それとも「フロリダ」のスピードボート、あるいは厳しい軍艦はいかが? ホーチミン市滞在中に自分だけの夢の船模型を作ってもらうことも可能だ。その際は、たくさんの写真とスケッチをお忘れなく。材料は、乾燥させたチークやマホガニー、ローズウッドやそのほか熱帯に生える木が使用される。一風変わったお土産としても喜ばれそうだ。
ベトナム戦争時、アメリカ兵の忠実な友だったジッポライター(Zippo)。今ではベトナム中に散らばっており、ホーチミン市1区のヤンシン(Dan Sinh)市場にたくさん売っている。中の液体燃料とフリント部分を交換すれば殆どが現在でも使用可能だ。価格は年代やデザイン、コンディションにより、多くは10万VND以下で買える。本物はほとんど残っておらず、多くはコピー品だが、ジッポライターはアメリカの陸軍、海軍、海兵隊、ベトナム海上保安部、ベトナム共和国軍などに支給されていたので、探せば本物もたくさん残っている。本物を見極めるためにはジッポの本などを携帯して、照らし合わせながら探すのもいいだろう。ヤンシン市場で見つかるものは、前の所有者による卑猥な言葉などが彫りこまれている場合もあるので、誰かにプレゼントするときは注意しよう。そのほか、ビンタン(Binh Thanh)区にはジッポライターの正規販売店がある。
ホーチミン市では、ダイヤモンドやサファイアなどのプレシャスストーンや半貴石にシルバーや24Kゴールド、プラチナなどを合わせたジュエリーがたくさん売られている。本物かどうかは、しっかり見極めることが大切だ。ホーチミン市内でバイクを横切って道を渡るのと同じくらいの注意力が必要! ベトナムで一番人気の石は、幸運をもたらすと言われる翡翠だ。ベトナムでは原材料となる石や金属の価格は高めだが、工賃が安いためジュエリーの形になったものは比較的安い値段で手に入る。もし金に糸目をつけないのなら、大きなショッピングセンターに入っているラグジュアリー系ジュエリーショップや、そのブティックを訪れてみよう。小さな工房系ショップでは、一点もののハンドクラフトのジュエリーも取り扱っており、オーダーメイドなども受け付けてくれる。
ホーチミン市にある「カトリーヌ ドゥヌアル/Catherine Denoual」のブティックではオートクチュールのように美しいホームリネンやテーブルウェアが揃う。店内には手刺しゅうのベッドリネン、エレガントなテーブルウェア、布製のインテリアなど、最高級の素材を用いて自然をモチーフにした手刺しゅうを施した気品あふれるアイテムが並ぶ。シーツ、羽根ぶとんカバー、ピローケースには500スレッドカウントの最高級エジプト綿が使用されている。カトリーヌ・ドゥヌアル(Catherine Denoual)は、家族と共に1995年に来越。その前はパリでファッション編集者として働いていた。ベトナムの手仕事の素晴らしさに魅了され、「カトリーヌ ドゥヌアル メゾン」の名前でホームリネンとスタイリッシュな照明のブランドをスタート。現在、ショップは1区のティーサック(Thi Sach)通りの旗艦店のほか、「サイゴンセンター」に入っている。
「ドグマ/Dogma」ではベトナム社会主義の昔のプロパガンダポスターをカードや、ジャケット、土産品やTシャツにプリントしたアイテムを販売。「ドグマ・ポスター・コレクション」はベトナムのプロパガンダアートの個人収蔵としては最大だ。丈夫なキャンバス地にオリジナル作品を複製したポスターは、プレゼントやホーチミン市を訪れた記念にぴったり。歴史の小さな断片を持ち帰ろう。「ドグマ・ベトナム・アーバンファッション」の商品は、ベトナム・プロパガンダアートの歴史が、ロックンロールやミリタリー、ネオモッズ、パンク、アーバンシックなどのテイストと融合。アジアとヨーロッパの絶妙なミックススタイルをチェックして。
ベトナムで一番アイコニックなお土産を選ぶとしたら、ノンラー(Non La)と呼ばれる円錐形の編み笠に決まり。全て手作りで、竹の骨組みに、ココナッツやパーム椰子の葉が手縫いで縫いとめられている。ノンラーはホーチミン市の市場、大きなショッピングプラザ、土産物店で見つけることが出来る。価格は通常5万VND以下。ホーチミン市の現代化が急速に進むなか、いまでもこの帽子は街中の至るところで見られる。ノンラーは、ベトナムとベトナム国民の勤労を象徴する国家的シンボルとして、また実際に効果的な日よけ、雨よけとして多くのベトナム人たちがかぶっている。いつの時代からノンラーが作られているのか定かではないが、最近の研究ではすくなくとも2000年以上前からと考えられている。
「ガーアート&クラフト/Nga Art and Craft」は伝統的なスタイルをとりいれたモダンで革新的な漆製品・家具をメインに扱う店。全ての製品は腕の確かな職人によって作られ、機能だけではなく美を感じさせる。漆製品は、壁の装飾品から皿やボウル、トレイ、ランプまで幅広い品揃え。スペシャルなものをお望みなら、生活に色を添える漆塗りの家具を選ぼう。部屋の雰囲気を決めるピースとして単品でもさまになるし、揃えてもいいだろう。ローズウッドで作ったゲームのコレクションもぜひチェック。バッグギャモンやチェス、ジェンガ、2人で行うボードゲームのナインメンズモリスなど、様々なゲームが揃う。写真のフレームや机などもある。レターラックや名刺入れ(木製もしくは漆器)には自分の名前や社名を入れるサービスも行っている。またデリバリーや海外発送の相談にも応じている。ホーチミンを訪れた記念として、「ガーアート&クラフト」でおしゃれな漆器を自分にプレゼントしてみては?
ベトナム戦争時に注目されるようになったベトナムのプロパガンダアート。政治的なメッセージ以外にも、公共の衛生や安全を訴える手段として用いられている。現在ではレトロな感じがうけて、古いポスターからハンドバッグ、Tシャツのデザインなどに取り入れられている。“もっとコーヒーを栽培しよう”といったメッセージの描かれたポスターの複製など、プロパガンダアートを販売する店がホーチミン市にはいくつかある。
ホーチミン市では、水牛の角を用いたジュエリーを売るショップが沢山ある。水牛の角は人間の爪に似たケラチン物質で、ジュエリーのほかにも食事の道具や、パイプ、櫛、装飾の材料として用いられ、色合いは乳白色から漆黒まで幅広い。昔から水牛の角はその中に水牛の精神が宿るとされており、そのため水牛の角を身につけたり使用したりすると、その強大なパワーがその人に移るといわれている。水牛の角は、牛を傷つけたり、殺したりせずに採取可能なため、動物愛護の観点からも安心だ。湿度や温度の変化に影響を受けやすいので、シャワーや泳ぐ際には取り外すことをおすすめする。経年変化で色が少しずつ変わって行くのも、また味わい深い。
ベトナムの漆器はその美しさと耐久性から人気がある。ホーチミン市にある漆工場のうち、いくつかは見学ツアーも行っている。フォードゥックチン(Pho Duc Chinh)通りにある「美術博物館」では年代物の漆器が多く展示されている。また、ドンコイ(Dong Khoi)通りにあるアートギャラリーではモダンな漆器を求めることができる。ベトナムの漆器は、完成するまでに12工程以上要する場合もあるという。塗った漆が完全に乾くまで次の工程に進めないため、乾燥に1週間かかることもしばしば。ある漆盆は、作るのに75日間かかるというのだから驚きだ。ベトナムでの製造の歴史は18世紀まで遡り、上等なものはすべてハンドメイド。ベンタン(Ben Thanh)市場では安価な漆製品も売っているので、ベトナム旅行の記念やお土産として買ってみてはいかが。
ウォーターヒヤシンスは早いスピードで成長する水草。メコンデルタの水面を埋め尽くし、水の酸素を奪い、生態系を破壊するとして問題になってきた。また、ウォーターヒヤシンスの茂みは蚊の格好の繁殖場所でもあった。幸い、ウォーターヒヤシンスは繊維素材として利用可能なことが分かり、今日ではスリッパや、テーブルマット、ピクニックカゴ、小物入れ、トレイ、ソファーや椅子の座面部分として繊維を編んだものが利用されている。その海綿状の構造による自然で柔らかなテクスチャーと、レザーにも上質なシガーにも似た特徴的な香りをもつ。ホーチミン市内にはウォーターヒヤシンスの繊維を用いた製品を売る店が多数ある。